初めて娘と電車を使ってお出掛けをした。
都市部で暮らしていると赤ちゃんと電車で出掛けることも多いと思うけど、元居た長野は車社会。
ましてや小さい子どもが一緒だと、移動手段に「電車」という選択肢はほぼなくなる。
なので、娘を連れて電車に乗ったことが無かったし、周囲にも「赤ちゃんと一緒に電車で出掛けた」という話をしている人は皆無。
でも、千葉では娘も一緒に電車で移動できるだけで生活の質がだいぶ変わってくる。
なので、近くで働いている唯一の知り合いのところへ出掛けてみることにした。
目的地までは電車で10分。
「電車怖がって騒がないかなー?
というか、私も電車に乗るの3年ぶりだ。
Suicaまだ使えるのかな?
ベビーカーで電車乗ったらめっちゃ邪魔だよな。」
慣れない電車、しかも子連れ乗車は初めてで予備知識も少ない。
もう気が気じゃない。
たった10分。
でも二人にとっては大冒険!
冒険には装備が必要。
まずは、移動のための最適装備をチョイス。
ベビーカーか抱っこひもか・・・。
10㎏に近づいている娘は重たい。
しかも荷物も多い。
だけど、ベビーカーだとエレベーターを探したり、慣れない電車でスムーズに動けなかったり、他の方に気を使ったり、抱っこで行く体力の消耗以上にストレスになることがある気がする。
そして現役時代に鍛えた筋力と体力のリカバリー方法は身に付いている。
精神的ダメージ > 身体的ダメージ
の構図が見えたので抱っこひもを選ぶ。
この選択は正解!
最寄り駅のエレベーターは決して広くない。
高齢者も大勢利用してたので、ベビーカーで行ってたら申し訳ない気持ちと一緒にエレベーターに乗らなければいけないところだった。
改札を抜けたら難関の電車ミッション。
まずはできるだけ人が少なそうな車両に乗ること。
改札を通ってホームに降りると、人が少なそうな場所を探す。
人の少ない場所へ行くと、一人のご婦人が娘を微笑ましく見てくれた。
オアシス!!
ご婦人の微笑みにちょっと安心感を覚えたので、その人と同じ車両に乗ることに決定。
電車が到着する。
ここから一番重要なポジション取り。
混んでるとは言わないまでも座席はほぼ満席。
立っている人もそれなりに居た。
どこがいいかな・・・
車内を見渡したそのとき、さっきの微笑みのご婦人が
「そこに座って!」
と一人分だけ空いていた席に誘導してくださった。
神か!!!
両隣に座っていた学生とおぼしきお二人には、娘と荷物で幅をとってしまい申し訳なかったけど、座らせてもらえたことは本当にありがたい。
ここからは、娘を怪獣化させないようにするミッション。
座らせていただいた分、決して騒がせるまい。
でも、もし泣かれたら一回電車降りよ・・・。
そう思いながら祈るような気持ちで座る。
発車ベルの音、車内アナウンス、中吊り広告・・・
娘にとって母親以外は初めて聞く音・初めて見る物ばかり。
「なに?なに?この音なに?
誰がしゃべってんの?
隣のお兄ちゃん?
でも寝てるよ?
壁のやつはテレビ?
でも全然動かないよ?」
口が半開きの真顔で、目だけキョロキョロ。
情報過多で処理が追い付いていない様子。
「大丈夫。
電車乗ってるよ。
もうすぐ着くよ。」
背中をさすりながら小声で話しかけると、何とか騒がずに降りる駅に着いた。
はぁぁぁ( ´Д`) 無事に着いたーーー!
一気に緊張から解き放たれた。
娘も電車を降りて安心したのか、駅を出るとそのまま寝てしまった。
知り合いに会って用事を済ませると、今度は帰りの電車。
帰りは電車がかなり空いていた。
娘は
「あ~、またこれね~~。」
みたいな顔しててちょっと慣れたみたい。
お互いに行きほどの緊張感はなく帰ってきた。
たった10分。
されど10分。
初めてと緊張の連続。。
人の優しさに勇気をもらいながら、無事に冒険を終えられた。